広域島嶼国における遠隔教育と健康管理のためのテレセンターとそのNW及びサーバーの実証導入 (ミクロネシア連邦, 2009年)

ミクロネシア連邦では、主要な島を接続する衛星回線が構築されていたものの、離島やルーラル地域のインターネット環境は、依然、高い利用料、超低速な接続(数kbps~128kbps 程度)、そして、島国特有の衛星の2ホップ経由のため遅延がありました。

当財団では、2009年に同国の交通通信インフラ省と共同で、3地域(3州)でテレセンターの構築を行いました。本プロジェクトは、APT のICT パイロット構築プロジェクトとして国教育省、州教育省、ミクロネシア・テレコム、ミクロネシア大学、3つの州政府、小学校・中学校・市役所(5か所)の協力を得て、当財団と早稲田大学がパートナーを組んで行いました。

具体的には、島々とその地域の条件に合ったテレセンターを3州(5か所)に建設しました。約500km間隔で位置している3州を衛星回線のVPNで接続し、首都のあるポンペイにてインターネットのゲートウェイ回線に接続しました。また、各島には、ファイルとキャッシュサーバを追加設置し、同期をとることにしました。

これにより、インターネットダウンロード速度の改善が図られました。また、本プロジェクトの実施に併せて、KDDI がリストアし、新しいWINDOWS, Office、ウィルスチェックなどのソフトウェアをセットアップした、中古パソコン20台を現地の名門校ザビエル高校に寄贈し、島嶼国のリテラシー改善に貢献しています。

ミクロネシア
東西1000kmのテレセンターを衛星回線で結ぶ。ファイル共用で伝搬遅延を解消。
ミクロネシア
太陽発電と島間の無線LANで日本等とのビデオ会議のデモ(開始式典にて、小学校校庭)