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国際協力事業INTERNATIONAL COOPERATION背景と経緯日本では2020年度より、小学校でのプログラミング教育が必修化され(プログラミング言語自体の習得を目的とするものではなく、例えばブロックを組み立てて動かしてみることで、自分がやりたい活動を実現するためにどのような動きが必要でどのように組み合わせたらよいかを、論理的に考えていく力=プログラミング的思考を育成する教育)、論理的思考や問題解決力の育成に取り組んでいます。一方、最貧国の一つとされるネパールの多くの学校では、これまでと同様に暗記型の詰め込み授業が行われ、児童生徒の学習意欲は向上していません。そうした中、ネパールの教育省は、2016年度から2022年度まで7年間の教育開発計画(School Sector Development Plan)を定め、教育分野の改善に取り組んでおり、教育の質の向上では、学力の向上のみならずICT活用などによって論理的思考や問題解決力を育成する取り組みが求められています。日本の中高生を対象として「夏休み理科教室」を長年支援してきたKDDI財団は、教育分野でのICT活用例としてプログラミング教育をネパールでも実施することは有意義であると考え、シティネット横浜プロジェクトオフィス様、宮城教育大学様のご協力を得て、日本での取り組みをネパール・ラリトプール市で実施することを企画調整し、現地の児童・生徒が楽しみながらロボットプログラミングを学び論理的思考力などを育むロボットプログラミング教育を2019年より開始しました。学習教材は、ブロック遊び感覚で自由にロボットが作れ、ドラッグ&ドロップで簡単にプログラミングできるものを使用しています。また、コンピュータは比較的安価なラズベリーパイを利用し、導入できるコンピュータ台数を最大化しています。現地では教育NGOであるオープンラーニングエクスチェンジネパールのご協力を得て、コンピュータ導入などの学校への支援を行っています。同NGOでは教科書をeラーニングコンテンツ化し、動画で分かりやすく説明する教材を提供しており、この活動の中で活用しています。トレーニングと模擬授業2019年3月、宮城教育大学様が講師となり、比較的貧しい家庭の子弟が通う公立学校の先生の育成を目的とした、ロボットプログラミング教育の集合型トレーニングを開催しました。オープニングセレモニーでは、在ネパール日本大使館の西郷正道特命全権大使、チリバブ・マハルジャ市長、ギタ・サトヤル副市長らから歓迎や期待のお言葉をいただきました。現地学校では同校先生によるロボットプログラミングの模擬授業を開催し、児童・生徒が自分たちで作ったロボット(車)を動かし非常に楽しんでいる様子を見ることができました。続いて2019年12月にも第2回目のトレーニングを実施しました。 市立ジャルパ校の校舎コンピュータ教室オープニングセレモニー(2019年3月)前列中央に西郷正道特命全権大使9KDDI Foundation Vol.11ロボットプログラミング教育を開始ネパール

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